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Kokubunji Zaitakucare Clinic
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老人性うつとは? 認知症との5つの違いと対処法
老人性うつとは?
注意力が散漫になって、抑うつ感が強く、「死にたい」と思うなど、悲観的になります。食欲減退や不眠に悩まされることも少なくありません。
うつ病を発症すると、気分が落ち込む、注意力が散漫になったり、物事への興味や幸福を感じない、やるきが出ない、食欲が落ちる、眠れないなどの症状が出ます。
その場合、記憶力の低下を認めたり、判断能力がなくなったりなどの症状も出るために、認知症ととても間違われやすいです。
認知症では抑うつ症も出ることが度々あるため、うつ病だと思って受診をしたら、本当は認知症の症状だったということもあるのです。
高齢者のうつ病は認知症と間違われることが多く、家族や介護している方が気づきにくく、時間が経つうちに、状態が徐々に悪化してしまうことがあります。
うつ病は、抗うつ薬による治療を始めると、認知症に似た症状も改善されていきます。
認知症とうつ病は、治療方法は全く異なるため、早い段階での対処が大切です。
何か様子がおかしかったり、反応が乏しく1日中ボーッとしている、元気がないようにみえる、といった症状にお困りの方はぜひご一読・ご相談をいただけたらと思います。
老人性うつの特徴
老人性うつの方は、上記の症状に加え、「頭痛や立ちくらみ・めまい」「食欲低下」「疲れやすい」「死にたいという悲観的な考え」「肩こり」「気持ち悪い」「しびれ」「耳鳴り」などの様々な症状を訴えることがあります。
本人がこうした様々な症状を自覚し、不安や抑うつを感じていることもうつ病の特徴です
病院に行ったが検査では異常がなかったりして、ご家族や介護者が対処法に困ることも多くあります。
老人性うつの原因
老人性うつは、引っ越しなどの住環境の変化、仕事を退職した、家族と別居となった、などの「環境的要因」と、病気の悪化や不安、配偶者との死別、老化に伴う体力や身体の衰え、などの「心理的要因」の2つが主な原因となり発症することが多いと言われます。
老人性うつと認知症の5つの違い
1
症状の進行速度
認知症は、記憶障害などが徐々に進行することが多く、発症の時期がはっきりとしない面がありますが、老人性うつの場合は、何かのきっかけや環境変化に伴って、1か月間くらいなど比較的短い期間に様々な症状が出るため、ご家族や介護者の方が「どうしたのかな、いつもと様子が違うな」と気付きやすいという特徴があります。
2
自責の念の有無
老人性うつの方は、「自分の症状や病気のせいで、家族や周りの人に迷惑をかけている」という自責の念が強くなり、抑うつ症状が特に強く見られます。
老人性うつと違い、「死にたい」という気持ちや自責の念を訴えることはあまりありません。
3
本人の自覚の有無
認知症の場合、問題行動は見られますが、認知機能の低下にしたがって、自分の症状に無関心になることが多くなります。不安や抑うつ症状は、認知症のBPSD(周辺症状)の一部として出る場合もありますが、主要な症状のことはあまりありません。
老人性うつの人は、自分の認知機能の低下を、その前後で自覚できるため、自分の症状が悪化していないかどうかをよく気にするようになります。
4
記憶障害(物忘れ)の有無
記憶障害は、老人性うつと認知症の両方にみられますが、症状の現れ方に違いがあります。
認知症の場合、最初は、軽度の記憶障害から始まって、徐々に進行していきます。
認知症の方は、日常で晩御飯を食べたこと自体を忘れてしまうなど、物事自体を忘れてしまいます。
老人性うつの方の場合は、環境変化や何かのきっかけになる出来事をきっかけとして、突然数日前のことを思い出せなって、それによってご本人自身の心配や不安が高まっていく傾向があります。
5
質問に対する受け答え方の違い
認知症の人は、質問に対して、見当違いだったり、的を得ない回答をします。そのことを指摘すると、取りつくろう様子が見られることも多いです。
老人性うつの方の場合、質問に対し、考え込んでしまい、回答がはっきりとできない場合が多いという特徴があります。
ご家族や介護している方へのアドバイス
老人性うつと考えられる場合に大切なことは、まず本人の様々な体調不良の訴えを認めることです。否定や反論をしてしまうと、本人の抑うつ症状や不安症状が悪化してしまうことがあります。
まずは共感してあげるようすると改善にも向かいやすいです。